国営昭和記念公園の梅

梅咲く昭和記念公園サイクリングコースの風景

都内最大148.7ヘクタールという広大な面積を誇る昭和記念公園にはたくさんの植物が植えられ、四季折々様々な花木を楽しむことができます。園内は歩行者園路から各施設に出入りできる構造となっており、概ねこの園路の外側に張り巡らされたサイクリングコースからは直接出入りのできない施設も幾つかあります。歩行者園路に自転車を乗り入れる事は出来ず、サイクリングコースを歩行することはできません。ですからサイクリングコースで昭和記念公園を周る方は、園内に幾つも設けられた自転車置き場に一旦自転車を停め、そこから歩いて歩行者園路で各施設に出入りする事となります。冒頭の写真は平成30年3月6日にサイクリングコースで写したものです。園内の至る所で見ごろを迎えた梅を楽しむことができます。

昭和記念公園の出入口は全部で八カ所。立川市内に七か所、昭島市内には一箇所です。立川市内の出入口のうち四つは公園南東部に集中しています。「あけぼの口」、「立川口」「昭和記念館口」「高松口」がその四つ。立川駅からはあけぼの口が一番近く徒歩約10分です。ただし、あけぼの口は昭和記念公園の離れみたいな位置にあるので、他の施設を利用するなら立川口から入る方が効率的かもしれません。この四か所から少し西にある「西立川口」は青梅線西立川駅にから昭和記念公園に直結しています。徒歩約2分。レインボープールに行きたい人はここが便利です。ここまでが昭和記念公園の南面の入り口となります。次に公園の西面ですが、こちらには「昭島口」があります。青梅線東中神駅より徒歩約10分。ここからもレインボープールは近いです。そして公園北面にあるのが「砂川口」と「玉川上水口」。砂川口は西武拝島線武蔵砂川駅より徒歩約20分。玉川上水口は立川市と昭島市の境目付近にあり、武蔵砂川駅より徒歩約25分です。

花木園(かぼくえん)

花木園の梅

昭和記念公園の梅の名所としてまず挙げたいのが花木園。水鳥の池に隣接し、梅以外にも四季を感じるさまざまな花が咲き、季節ごとに訪れる人を楽しませてくれます。一番近い出入口はJR青梅線西立川駅から直結した西立川口です。水鳥の池を反時計回りに歩いていきます。残堀川にかかる「さくら橋」から「ふれあい橋」までの間が梅園となっており、野梅系、緋梅系、豊後系合わせて18~19種類もの品種が鮮やかな花を咲かせています。以下品種、特徴を記しておきます。

分類、型、色、花径、見頃の順で列記します。尚、見頃については毎年の気温で時期が前後します。

1、見驚(けんきょう)

分類(野梅系・野梅性)、型(八重)、色(淡紅移り白)、花径(大輪)、見頃(2月下旬~3月中旬)

2、月影(つきかげ)

分類(野梅系・青軸性)、型(一重)、色(青白)、花径(中輪)、見頃(2月上旬~3月上旬)

3、八重緑蕚(やえりょくがく)

分類(野梅系・青軸性)、型(八重)、色(青白)、花径(中輪)、見頃(1月下旬~3月上旬)

4、大盃(おおさかずき)

分類(緋梅系・紅梅性)、型(一重)、色(本紅抱え咲)、花径(大輪)、見頃(2月下旬~3月中旬)

5、紅千鳥(べにちどり)

分類(緋梅系・緋梅性)、型(一重)、色(本紅)、花径(中輪)、見頃(2月下旬~3月中旬)

6、白加賀(しろかが)

分類(野梅系・野梅性)、型(一重)、色(雪白)、花径(中大輪)、見頃(2月中旬~3月上旬)

7、思いのまま

分類(野梅系・野梅性)、型(八重)、色(紅白咲分)、花径(中輪)、見頃(2月下旬~3月中旬)

8、道知辺(みちしるべ)

分類(野梅系・野梅性)、型(一重)、色(濃紅抱え咲)、花径(大輪)、見頃(1月中旬~2月下旬)

9、玉牡丹(たまぼたん)

分類(野梅系・野梅性)、型(八重)、色(白)、花径(大輪)、見頃(2月上旬~3月中旬)

10、鴛鴦(えんおう)

分類(緋梅系・紅梅性)、型(八重)、色(紅)、花径(中輪)、見頃(2月上旬~3月上旬)

11、八重野梅(やえやばい)

分類(野梅系・野梅性)、型(八重)、色(白抱え咲)、花径(大輪)、見頃(2月上旬~3月上旬)

12、千鳥枝垂(ちどりしだれ)

分類(緋梅系・紅梅性)、型(一重)、色(紅抱え咲)、花径(中輪)、見頃(2月上旬~3月上旬)

13、蓮久(れんきゅう)

分類(緋梅系・紅梅性)、型(八重)、色(裏紅)、花径(中輪)、見頃(1月中旬~2月中旬)

14、八重唐梅(やえとうばい)

分類(緋梅系・唐梅性)、型(八重)、色(紅)、花径(中輪)、見頃(2月中旬~3月上旬)

15、楊貴妃(ようきひ)

分類(豊後系・豊後性)、型(八重)、色(紅抱え咲)、花径(大輪)、見頃(2月中旬~3月上旬)

16、茶筅梅(ちゃせんばい)

分類(野梅系・野梅性)、型(花弁退化)、色(花弁退化)、花径(極小輪)、見頃(2月上旬~2月下旬)

17、大輪緑蕚(たいりんりょくがく)

分類(野梅系・青軸性)、型(八重)、色(青白抱え咲)、花径(大輪)、見頃(2月上旬~3月上旬)

18、藤牡丹枝垂(ふじぼたんしだれ)

分類(豊後系・豊後性)、型(八重)、色(淡紅)、花径(中輪)、見頃(2月中旬~3月中旬)

19、一重野梅(ひとえやばい)

分類(野梅系・野梅性)、型(一重)、色(白)、花径(中輪)、見頃(2月上旬~2月下旬) 

こもれびの里

こもれびの里畑と梅園の風景

こもれびの里は昭和30年代の武蔵野の農村風景を再現しています。「昭和・武蔵野・農業」をテーマに単に昔の風景を垣間見ることではなく、暮らしの中で培われてきた知恵を再発見し、継承していくことを目的としています。市民参加により整備・運営が行われ、農作業や年中行事など様々な体験を通じて、 自然と暮らしの知恵を伝えていく活動をしています。上の写真は畑とその向こうに広がる梅園の風景です。

こもれびの里3つのテーマ

昭和

昭和は激動の時代でした。高度経済成長の時代を経て武蔵野は急速に都市化し、原風景が次々に失われました。里は長年にわたり築いてきた先人の知恵や技術を伝承する場所です。

武蔵野

武蔵野の自然は、野山や雑木林、家屋敷、農地、水路にいたるまで、人々の仕事や生活の場でした。人々は自然を畏れながら感謝して、自然を大切にしてきたのです。

農業

武蔵野の大地の特性を知り、自然と人との営みで生まれた「農業」。くらしの知恵が凝縮する農家と、そこで生まれ、伝えられてきた暮らしの知恵を体験する。

こもれびの里の構成

このれびの里は農家を軸として、南西方向に水車・田んぼ、南に茶畑・畑・梅園・雑木林、南東方向に果樹園・炭焼き小屋が伸びる構成となっております。

農家

こもれびの里のシンボル的な施設です。江戸中期頃に建てられた狛江市に所在していた石井家の建物(立川市有形文化財に指定されている主屋、内蔵、長屋門)3棟とあきる野市の外蔵を移築したものです。

主屋

江戸時代18世紀後半から幕末まで、和泉村(現在の東京都狛江市)の旗本松下領の名主を務めた石井家の住宅として建築されたものです。建物の建築年代は、ヒロマとナカノマ境の東柱に打ち付けられていた祈祷札から18世紀後半と考えられます。祈祷札には、「法主 慶文」と記されてており、慶文は六所宮(現伊豆美神社・東京都狛江市)の別当寺、行宝院七世慶文(寛政12年・1800年没)と考えられるためです。解体と発掘調査によって、当初の間取りは土間とヒロマ・ザシキ・ナンドの三室でしたが、名主になってから六ッ間取りとなったことが判りました。正面軒先のセガイ造、ヒロマの押板(床の間の古い形式)、妻側下屋の葺き下ろしなどに、この建物の特徴が見られます。

内蔵

主屋とつながった蔵です。祝いの什器や衣類、嫁入りの長持や箪笥、名主の記録類などが収められ、文庫蔵とも呼ばれていました。梁行2間、桁行3間、2階建て、茅葺の置屋根で妻入です。建築時期は明治初期頃と推定されます。明かり窓の庇持ち送りには、見事な漆喰の鏝絵で鶴・亀図が彫られていましたが、現在は別途保存されています。屋根は置屋根と呼ばれ、土蔵本体の上に茅屋根が置かれています。これは上屋蔵とも呼ばれ、土蔵と屋根の間に空間があるため、日照りの影響も少なく、また屋根が燃えても土蔵が延焼しないような工夫がされています。内蔵は妻入で、移築前主屋に向いて建ち、その間には蔵前座敷がありましたが、移築後は平行に向きを変え、座敷を撤去しました。

長屋門
長屋門と梅の風景

長屋門は名主でも名字帯刀が許された格式が高い家でした建てられなかったもので、村の巡検に寄る役人(武士)や菩提寺の住職などが来る時だけ開門されました。門の中央通路には内開きの戸と脇の潜り戸、その右側には村の年貢米を預かった蔵、左側には高札や村の共有物などを保管した納戸が付いています。この門の建立年代は不明ですが、家の歴史や建築形式から、文化・文政年間(19世紀初頭)と推定されます。正面の軒先だけ主屋と同じようにセガイ造の小天井が張られ、下見板張りの壁とともに家の格式を示すものでした。

里の小屋

農作業をするための活動場所と展示や体験イベントのスペース

水車小屋

武蔵野台地では、地形の高低差が小さいため、「エビ樋」による胸かけ方式が多く、こもれびの里の水車はこの方式を再現しています。水輪(みずわ)は水を受ける位置によって「上がけ」「胸かけ」「下がけ」に分かれ平坦な土地が多い武蔵野では胸かけが多くみられたのです。

炭焼き小屋

炭はかつては生活を支える大切な燃料でした。炭焼き小屋にある炭焼き窯は、ドラム缶を使って作ったもので、公園の竹による竹炭を作っています。

梅園

こもれびの里の中央から少し南、畑の西側にあります。

こもれびの池

こもれびの池、南端より撮影

こもれびの池南端部より撮影

こもれびの池は砂川口の南側すぐ手前にあります。南北に細長い池で北端近くと中央付近計2か所に橋が架かっています。池の周りに梅が植えられ、水面に映った姿と合わせて楽しめます。

池の周囲を梅を見ながらゆっくりと南に進んでいくとこもれびの里休憩所があり、そのさらに南にこもれびの里があります。

こもれびの里の梅

 

河津桜

むらさき橋からの河津桜

残堀川「むらさき橋」かた写した河津桜

河津桜は残堀川にかかる「むらさき橋」や「ふれあい橋」付近、花木園売店横残堀川沿い、そしてこもれびの池で見る事ができます。

国営昭和記念公園の時間・料金・アクセスなどについては当サイト内「国営昭和記念公園」をご参照ください。

2018年02月24日