戦争の記憶

昨日はかつて外壁塗装をさせていただいたお客様より軒天補修と波板の交換工事の依頼を受け、お邪魔致しました。お見積書の内容をご説明し、美味しい和菓子をご馳走になりながら、1時間半くらいお話しを指せて頂きました。

とりとめのない世間話をしているうちにふと戦争時代の思い出話をしていただきました。お父様のお仕事の都合で大陸で戦時を過ごし、終戦間際帰国されたのです。

大阪の大空襲、そして疎開先でのご苦労などを語られるうちに、ある列車内の光景をお話し下さった時、思わず大粒の涙を流されたのです。頭から包帯を巻いた兵隊さん、腕を流した兵隊さん。その列車は怪我によって帰還された兵隊さんを移送するものだったそうです。

目を合わせられないような痛々しい兵隊さんの中で、それでも幼かったそのお客様にこう声をかけてくれたんだそうです。

「坊頑張って生きろよ」

傷だらけの兵隊さん達にも家族があって、そんな家族の事、今もなお戦地にいる戦友の事を思いつつ、幼い子供を励まそうとするその姿が忘れられない。そう語っておられました。

思わず涙腺がゆるみそうでしたが、仕事中ゆえ、なんとか涙をこらえる事ができたのですが、今こうしてその場面を思い出すと、目頭が熱くなってきます。

戦争を知る人達も一人また一人と鬼籍に入られ、もうあと十何年か経つとそうした記憶は風の中に消えていくのでしょうか。

私はこれまでにこうしてお客様より戦争の記憶をお聞かせいただいた事が何度かあります。その度に大変な事だったのだなぁと思うのです。時々その人達の顔を思い出したり、その時聞いた話を思い出したりする事くらいしかできないのですが、それでも忘れないでいようと思うのですよね。

2016年02月25日